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お客様事例:国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学

4Kの最先端映像システムを"教材"として新時代の人材育成に挑む

4Kの最先端映像システムを"教材"として新時代の人材育成に挑む

奈良先端科学技術大学院大学(以下、NAIST)は、学部を置かない国立の大学院大学として、科学技術の進歩と社会の発展に寄与することを目的とする大学だ。NAISTが目指すのは、先端科学技術分野に関わる研究の推進、そして何より、国際社会で指導的な役割を果たす研究者や、社会・経済を支える高度な専門性を持った人材の養成にある。
同校情報科学研究科は可視化技術においても日本をリードする研究実績があり、研究のツールとなる映像機器には常に時代の最新の機器やシステムを導入している。そして2008年4月にはソニー株式会社製 4K "SXRD"プロジェクター SRX-S110と200インチの大型ガラススクリーンによるインタラクティブ超高精細映像研究システムを導入。今回は、最新システムの評価や目的などについて、NAISTの副学長であり情報科学研究科教授である千原國宏氏に訊ねた。

導入背景

超高解像度映像研究に向けて先進的設備を積極的に導入

国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学 理事・副学長 情報科学研究科教授 千原國宏氏 冒頭、千原國宏副学長は「当校は世界最高水準の大学院づくりを推進し、文部科学省の21世紀COEプログラムの研究拠点にもなっています。ここでは、他校が育てないような人材を育てないといけない。人が考えないようなことを考え、実際にやって見せる。まずはやってみようという着想と実行力がある人間を育てていきたい」と同校の基本理念を語る。その理念を実現するための「教材」として、導入する映像システムに求められるスぺックの要求は高い。

2008年4月に他校に先駆けNAIST情報科学研究科が導入した日本SGIの4K映像システムは、ソニー4Kプロジェクションシステム「SXRD」SRX-S110を核とした200インチ(幅4500×高さ2380ミリ)の大型ガラススクリーンを持つインタラクティブ超高精細映像研究システムだ。

この映像システムは、同校のビジョンに則してどのような効果をもたらすのだろうか?

「当校では、1993年にクリムゾン(IRIS Crimson™)をベースにソニーの100インチの3面スクリーンを導入しました。当時、ハイビジョン対応の映像をCGで出力するシステムは日本SGI以外にはなく、1台で生成した画像を3画面でマルチ表示することができました。この10年の間に、ホストとなるコンピュータは何度かリプレースしましたがディスプレイは変わっていなかったので、次世代の映像デバイスという観点で4K映像に注目していました」

フォトリアリスティックな映像表現が可能になった現在、従来の3面スクリーンの解像度ではその迫力ある美しさは表現しきれない。先進的な4Kの超高解像度映像の導入は、NAISTとしては必然だったといえるだろう。

導入目的

4Kシステムをエントランスに設置し、オープンな映像制作に取り組む

ソニー株式会社製 4K "SXRD"プロジェクター同校では、従来の3面ディスプレイシステムを「バーチャル平城京」といったウォークスルー映像の研究開発に用いていたが、今回の4Kシステムは、どのような研究開発に利用していくのだろうか。

「まず、絵画、美術品、出土品などの芸術品、それらを実物大で再現することが1つ。それとバーチャルリアリティの研究開発です。実際、導入の前に東京・上野の国立科学博物館の『バーチャル・リアリティ~見て聴いてさわって冒険体験~』という展示会で、日本SGIの協力により、4Kシステムを利用したVRのデモを行いました。これはCGによる"水"をモチーフとしたコンテンツで、手の動きそのものが映像に働きかけて映像が動き出すものです。そういうコンテンツは子供たちに人気があって、約2万5千人もの来場者がありました。
4Kの超高精細な映像は、VR分野ではまだオーバースペックな面もありますが、4Kを生かした様々な映像コンテンツの作成などに大いに可能性を感じています。超高精細なので、例えば写真のサムネールなど200インチの画面に300枚並べても、1枚1枚の写真が非常にきれいに映ります。そういった側面は導入してから分かったことですが(笑)」。

NAISTでは4KシステムをNAISTの中でも人通りの多い、情報科学研究科の1階エントランスを選んで設置した。ここに置いたのはどのような意図からだろうか。
「従来、さまざまな映像デバイスは、研究室ごとに設置していたのですが、今回はオープンキャンパスなどで、お客さんや子供たちが見学に来た時に最先端の技術を見ていただけるように、エントランスを選びました。
我々の研究では、可視化は大きなテーマです。見えるものだけでなく、見えないものまで見えるようにする、これは非常に大きな話です。正面玄関を入ったエントランスにそのようなディスプレイが構えているというのは、何でも可視化して見せるぞという我々の意思表示です。あらゆる最先端の技術を研究に使って、また次の新しい技術を生み出していきたい。古い装置のままでは、なかなか新しい研究はできません」。

導入効果

4Kコンテンツの制作を通して、次世代のクリエイティブな人材を育成

操作用4面タイルド・ディスプレイこの200インチの巨大かつ超高解像度なディスプレイに、これからどんな映像が映し出されるのであろうか。ここに映し出すための映像は、学生の手に委ねられている。
「CGでも映像でも何でもよいですが、学生には4Kを用いる必然性やテーマが明確に分かるコンテンツを期待しています。自分のメッセージを伝えるために、いろいろなテクニックを使って開発する。そのメッセージを正しく伝えるには、どうすればよいかを学んでほしい。一般に公開するという点で、いわゆる広告的なプレゼンテーション能力も含めた話にもなるかもしれません。技術があれば映像はできますが、そうではなく、公共の場に映像を公開する意義をしっかりと学んでもらいたい。情報科学に対して正しい志を持ち、その高い志を実現させていく過程で、公共性はとても大切な条件になると思います。
さらにこの設備は学内利用に限らず、4K映像を利用した学外との共同研究にも着手すべく検討しています。他大学や研究所とのコラボレーションも実現したいと考えています」。

4KシステムがNAISTに導入されて日も浅く、初年度ということもあり、これから本格的な運用が始まる。順次研究に活発に利用されて、同システムがNAISTにとって、今後の人材育成のための新世代ツールとなり、また画期的な研究ベースになることが期待される。

4K "SXRD"プロジェクターのポテンシャルをいかしたシステム構築

今回日本SGIは、フルHD(207万画素、横1920画素×縦1080画素)の4倍を超える885万画素(横4096画素×縦2160画素)の高解像度・高精細表示に対応した4K "SXRD"プロジェクター SRX-S110のポテンシャルを最大限に生かすため、映像送出機や映像切り替えを担う中継機についても高解像度フルデジタル入出力対応の機材を選定して、システムを構築した。
画質劣化のない、鮮明で表現力豊かな映像の提供によって、新たなビジュアルコミュニケーション創出のための研究ツールとして活用されることが期待される。に合わせて段階的、継続的にシステムを増強していく予定だ。

インタラクティブ超高精細映像研究システム構成図 ※本事例の内容は2008年9月現在のものであり、変更されている可能性もありますのでご了承ください。

USER PROFILE

国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学

〒630-0192 奈良県生駒市高山町8916番地の5(けいはんな学研都市)
http://www.naist.jp/index_j.html
学部を置かない国立の大学院大学として1991年に設立。最先端の研究の推進と高度な教育により、専門性を備えた優秀な人材養成を目指す。情報科学研究科、バイオサイエンス研究科、物質創成科学研究科の3つの研究科がある。

国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学

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