
ネットリサーチ事業を手がける株式会社クロス・マーケティング(以下、クロス・マーケティング)では、Rackable(ラッカブル)の高集積/省スペースサーバを約20台導入。500コアオーバーのプライベートクラウド環境を構築した。Rackableサーバ(以下、Rackable)を導入した狙いと経緯について、事業推進室 ITプロデューサー 永井 秀幸氏に詳しく話を聞いた。
- マーケティング分野の総合企業を目指す「クロス・マーケティング」
- Rackableでネットリサーチの基盤となるプライベートクラウドを構築
- プライベートクラウドを構築した背景
- データセンターレベルのコスト効率を考慮しサーバを選定
- 高密度、省電力、コストパフォーマンス、導入実績を評価
- 4割のTCO削減に成功
- Rackableと日本SGIへの要望と期待
マーケティング分野の総合企業を目指す「クロス・マーケティング」
クロス・マーケティングの事業概要についてご紹介ください。
ネットリサーチ事業を中心に、お客様のマーケティング活動をサポートしています。現在、各協力会社とともに作り上げたモニター会員は800万人を超え、定量/定性、オンライン/オフラインに対応した様々な調査メニューを提供していますが、私たちが一番大切にしているのはお客様の期待にどう応えてゆくかということです。将来的にはマーケティング・リサーチからコンサルティングまで一貫して提供できるマーケティング分野の総合企業になりたいと考えています。
ネットリサーチの基盤となるプライベートクラウドを構築
Rackableでどのようなシステムを構築しているのですか。
今回、北海道岩見沢市に建設されたデータセンターに、自社開発した「mYouVan(ミョウバン)」というオープンソースのプライベートクラウドプロビジョニングツールを使用したプライベートクラウドを構築しました。すでにネットリサーチのシステムの一部を移設し本格運用を開始していますが、そのサーバとしてRackableのハーフデプス・ラックマウントサーバを利用しています。
サーバの導入台数を教えてください。
20台ほどですが、1Uハーフサイズに24コアのCPUと48GBのメモリを搭載しているので、ラック2台で500コアオーバーのスペックを実現しています。
プライベートクラウドを構築した背景
プライベートクラウドを構築した目的を教えてください。
スピーディに低コストで、大規模な調査ができることから、ネットリサーチの利用は急拡大し取り扱い案件も増加しています。そのような状況下で、ネットリサーチ業務を手がける企業間の競争も激しくなってきており、競争力を高めていくために、ネットリサーチの基盤となるシステムの増強は急務となっていました。
しかし、これまで利用してきたデータセンターにはすでにシステムを増設するスペースや電力容量に余裕がなく、サーバを追加するのも難しく限界を感じていました。また、むやみにインフラへの投資を増やしてしまうと高コスト体質となり、逆に競争力を保てなくなってしまいます。
そのため、運用負荷やファシリティコストなどを含めたTCOをできるだけ抑えながら、信頼性が高く、かつ自由度の高いシステムインフラを実現するために、新たにプライベートクラウド環境を構築することになりました。
データセンターレベルのコスト効率を考慮しサーバを選定
プライベートクラウドを構築するにあたり、どのような要件でサーバを選択しましたか。
戦略的なプライベートクラウドを実現するために、「ファシリティコスト」、「導入コスト」、「運用負荷」という3つのポイントがサーバを選択する上での要件となりました。
それぞれのポイントについて詳細を教えてください。まずは、「ファシリティコスト」について。
データセンターのファシリティコストを抑えることができれば、運用コストを削減できます。集積度が高く、高密度なサーバを選択することで、サーバの設置スペース(ラック数)を最小限に抑えたいと考えました。さらに省電力サーバを選択することで電力使用量を減らせば、さらにファシリティコストを削減できると考えました。
では次に、「導入コスト」について教えてください。
単価の安いサーバを採用して、単に導入コストを削減したいということではありません。 mYouVanで構築・管理する仮想サーバ環境は分散処理を行うスケールアウト型のシステムなので、高性能な少数のサーバでシステムを構築するよりも、限られた予算の中で最大数のサーバを導入したほうがシステム全体の性能が向上し、信頼性も高まります。そのため、導入コストを適正化できる製品を導入したいと考えました。
最後の「運用負荷」について教えてください。
当社は少人数でシステムを管理しているので、運用負荷を下げることで運用コストを削減すると同時に、新たなシステムの構築により多くのリソースを振り向けたいと考えてきました。どのような高価なサーバを導入してもハードウェアのトラブルは発生する可能性がありますので、できるだけシンプルかつスピーディにトラブルに対応でき、保守コストを抑えることができるサーバを導入したいと考えました。
高密度、省電力、コストパフォーマンス、導入実績を評価
Rackableサーバを採用した理由を教えてください。
日本SGIのセミナーでRackableの存在を知り、次のような6つの理由から導入を決定しました。
(1)導入実績が豊富なので安心して導入できる
Rackableは、米国Amazon社や米国Facebook社などのデータセンターでも採用されているので、製品の信頼性も高く安心して使い続けることができます。
(2)自社に最適なサーバをカスタマイズできる
メーカーのサーバ製品は、限られたラインナップの中から採用する製品を選択しなければなりませんが、Rackableは自社に最適なサーバをBTOすることができます。今回は1Uハーフサイズに24コアの省電力CPU(AMD製)を搭載した高密度サーバをオーダーしました。
(3)省スペース/省電力でファシリティコストを削減できる
高密度なサーバを採用することで、メーカーのサーバで構築すると6ラック必要なシステムを2ラックで実現することができました。また、省電力によりラックあたりのCPUの消費電力も5KVAに抑えることができ、ファシリティコストを大幅に圧縮することができました。
(4)メーカー製品と比べてコストパフォーマンスが高い
同等機種のメーカー製品と比べてRackableはコストパフォーマンスに優れています。限られた予算の中で、最大数のサーバを確保することができました。
(5)機種の選定から納品、サポートまで安心して日本SGIに任せることができる
Rackableは、日本SGIが直接窓口となってサポートしてもらえるので、導入機種選定の相談から納品、故障時の対応まで安心して任せられると考えました。
(6)センドバックサポートにより保守費用を大幅に削減できる
新しいシステムではmYouVanの自動フェールオーバー機能により、サーバにトラブルが発生した場合でもシステムダウンを自動回避できるようになっています。そのためハードウェアの交換が必要な場合、リモートで問題のあるサーバの電源をオフにして、データセンターから宅配便で日本SGIへサーバを送り、修理後にデータセンターへ送り返してもらうセンドバックサポートをお願いすることにしました。従来のような24時間365日体制のオンサイト保守が不要となり、保守費用を大幅に削減することができました。
4割のTCO削減に成功
Rackableの導入効果を教えてください。
サーバだけではありませんが、TCO全体で見れば4割ほどのコスト削減効果があったと試算しています。
また導入検討時に日本SGIから、岩見沢市のデータセンターとそれに関連する助成金の情報を提供してもらったことで、プライベートクラウド構築プロジェクトをスムーズに進めることができました。自社だけではこのような情報を知ることは難しかったと思いますので、これも日本SGIにRackableの導入をお願いした効果の一つだと考えています。
Rackableと日本SGIへの要望と期待
Rackableと日本SGIへの要望や期待があればお聞かせください。
日本SGIは、技術力に優れサービスレベルも高いので、安心してプロジェクトを進めることができました。
一方、国内におけるRackableの本格的な導入はこれからだと聞いています。データセンター事業者やサービスプロバイダーにはとても魅力的な製品だと思いますので、普及に力を入れていただければと思います。
※本事例の内容は2011年4月現在のものであり、変更されている可能性もありますのでご了承ください。
株式会社クロス・マーケティング
〒104-0061 東京都中央区銀座8-15-2 銀座COMビル6階
http://www.cross-m.co.jp/
ネットリサーチ・アンケート調査をメインで実施。
140万人超のネットリサーチモニターを軸に、生活者の「生」の声を収集するサービス&サポートを提供。
またネットアンケートのほか、座談会調査も実施しており、楽天リサーチと提携がある。
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