| 医用VR実験室には、ハイパフォーマンスグラフィックスシステムと連動した『高精細大型曲面ディスプレイ装置』、触覚を得るためのforce feedback(力覚提示)を装備した『視覚・触覚連動コックピット』が設備され、本格的なvirtual surgery(手術シミュレーション)、tele-surgery(遠隔手術)の実現をめざしている。これまではヘッドマウントディスプレイ(HMD)などの装置が実験的に用いられてきたが、実際の術場環境と同じ視覚情報を得ることはできなかった。今回、これらの問題を解決し、できるだけ自然な環境下で術者の視野の全体に高解像度の画像を提示することのできるVRシステムの構築を行った。『高精細大型曲面ディスプレイ装置』としては、ステレオ表示も可能な「三管式のリアプロジェクション大型曲面スクリーン」を開発。術者の視野全体をカバーすることができる。また、スクリーンの仰角を0〜45°まで変化させることができるだけでなく、『視覚・触覚連動コックピット』の術者を乗せたステージは上下、前後に移動でき、開腹手術の場合であっても実際の術場と同様の目線と両手の位置が実現できる。
鈴木所長にvirtual surgeryについてお聞きした。
「骨格を除く人間の身体は、筋肉、内臓といった柔らかい物質でできています。より実際に近い手術シミュレーションを行うためには、指で押せばへこみ、手に取れば形を変える臓器の構造をリアルタイム・イメージングにより再現しなければなりません。術者にとって、触覚は手術作業を正確に行うためにどうしても必要な感覚です。画像上の柔らかいものを柔らかいものとして感じる触覚を術者に伝えるため、両手用のforce feedback装置を『視覚・触覚連動コックピット』に装備しました」
患者の臓器の状態をMRI やCTのデータから変形モデルとして生成しておくことにより、『視覚・触覚連動コックピット』に乗った術者は、仮想空間のなかで患者ごとの特徴をもった臓器や血管にさわり、切開することが可能となるのである。 |

(C) IHDMI ,Jikei Univ.2002
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