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お客様事例:
独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構

石油や天然ガスの開発に有効な裸眼立体視による大規模可視化システム

2007年5月8日掲載 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構

  独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下JOGMEC:Japan Oil,Gas and Metals National Corporation)は、海外から の依存度が90%以上を占める資源である石油や天然ガス、鉱物などを日本国内に安定的に供給するための技術開発などの活動 を行っている。2006年末に、JOGMECの大きなミッションである石油、天然ガスの安定供給に向け、日本SGI の「裸眼立体視による 大規模可視化システム」を導入。より正確で詳細な地下資源の分析や開発支援に役立てるという。
  その導入経緯から現状に至るまでの話を、JOGMECの石油・天然ガス開発R&D推進グループ審議役(併)油ガス田開発技術適用 研究プロジェクトチームリーダーである三津石裕士氏に伺った。

お客様概要
■お客様名 :独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 技術センター
■所在地 :〒261-0025 千葉県千葉市美浜区浜田1丁目2番2号
■URL  http://trc.jogmec.go.jp/
■事業内容 :石油・天然ガスの探鉱・開発に関係する技術関連部署が集約され、 石油天然ガス開発技術の研究、産油国との共同研究、 操業現場技術 支援、海外・国内地質構造調査、探鉱・開発プロジェクトに関する技術 審査、研修事業等を行っています。


導入の背景
3次元可視化による地層データの分析で、世界的な競争力を獲得する
三津石 裕士氏
三津石 裕士氏

  JOGMECが可視化システム導入の検討を始めたのは、2005年の夏。石油や天然ガスの開発を行っていく上で、より正確な地下データの分析・情報の共有が必須となってきた。

   「従来、ワークステーションやプロジェクタを用いて、地下データを2次元的に分析していたのですが、それだけでは不十分になってきました。3次元による可視化が世界的な傾向となってきており、また、さまざまな地下の情報を扱うため、それを業際的に異なる分野の技術者で共有して迅速かつ効果的な検討をするシステムが求められてきたのです」

  ジオフィジスト(地震探査の技術者)・ジオロジスト(地質技術者)たちが解析した油ガス田の地層データは、奥行きや深さなどxyz情報を持っているが、2次元システムでは断面でしかビジュアル化ができない。油ガス層の姿をいろいろなパラメータを変化させ分析していたが、深い地下の構造なのでどうしても不確定性がある。そこで3次元によるビジュアライゼーション(可視化)・高精度化・迅速化が必要になってくるわけである。

  「今世界では石油やガスの利権を取る競争が拡大しています。地下の情報を取得するためには非常にお金がかかりますが、3次元の可視化システムであれば、井戸データなどさまざまなデータを合わせて確認することで、多様なデータの見落としや矛盾もわかり、解析が高度化できます。データの分析には情報を共有することが非常に重要です。複数の関係分野のエンジニアたちが専門的な視点で3次元画像を見ることによって、より詳細な分析を効率的に行えるわけです」

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導入の経緯
巨大データのハンドリングが可能で複数OSにも対応する自由度の高い可視化システム
裸眼立体視が可能な新しい会議システム
裸眼立体視が可能な
新しい会議システム

  JOGMECが可視化システムを導入するにあたり、日本SGI のシステムを選んだ理由はどこにあったのだろうか。

  「3次元可視化システムにはプロジェクタやディスプレイはもとより、可視化ソフトを動かすワークステーションが必要です。いろいろなソフトウェアを同時に動かす必要があり、かつ地下のデータは非常に大きい。数10Gバイトの大容量データをメモリ上に展開して扱えないといけません。
Silicon Graphics Prism
Silicon Graphics Prism

   もう1つの要件として、我々は並列計算機(SGI® Altix® 3700)を使っているのですが、そこで行った油層シミュレーションの結果をほぼ同時に見られるようにしたい。そのためにはメモリの共有ができるシステムが望ましい。そういった機能を持っていることがシステムに求められますが、入札してみるとSGI さんの提案がベストだったという結果です」

   JOGMECでは何種類かのOSが稼動しており、Linux®とIRIX®上のソフトを同時に動かせるようなシステムが必要だった。またパソコンでのプレゼンテーションもあるため、Windows®も同時に動かしたい。それらをすべて包括できるシステムとしても日本SGI のノウハウが認められた。

   ちちなみに今回JOGMECが導入したシステムは、偏光メガネを用いて立体視を行う80インチの2画面大規模スクリーン(3.2m×1.2m)を核に、加えて机上には裸眼立体視可能なディスプレイを6台設置している。

   グラフィックシステムには「Silicon Graphics Prism®」、2画面スクリーンをシームレスに自在に活用できるマルチ画面コントローラにはRGB Spectrum社「Media Wall 2000」が導入された。これにより、見たい情報を柔軟に複数組み合わせて同時に表示することもできる。

   なお、本システムは、株式会社エクサとの協業により、JOGMECへ導入された。

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導入効果
油田の開発計画、そしてプレゼンテーションにも活躍
机上に設置された裸眼立体視ディスプレイ
机上に設置された
裸眼立体視ディスプレイ

  JOGMECにおいては可視化システムが稼動して間もないが、効果やメリットは出てきているのだろうか。

  「我々の仕事は長いスパンによるものなので、今すぐ具体的なお話はできませんが、効果は上がりつつあります。油田の名前は言えませんが、中東の海上油田や陸上油田などの開発計画の策定、それから西オーストラリアやインドネシアのガス田などでも使う予定です。

  また、副次的な効果としてはプレゼンテーションがあります。海外産油国の方、イランやイラク、ベトナムやメキシコの方が来られた時、非常に良いデモンストレーションになります。日本にも3次元の可視化システムがありますという先進的な設備のアピールに加え、裸眼立体視が注目を集めます。裸眼立体視の可視化システムは他の業界ではすでに使われていると思いますが、石油業界はおそらく初めての利用になると思います」

   海外の立体視システムでは、着用する眼鏡にシャッター式が多く、立体視を20〜30分見ていると非常に目が疲れてくるという。今回のシステムは裸眼で立体視できるため、目に対する負担が少ない構造である。またスクリーンの立体視も偏光メガネを利用するパッシブステレオ方式であり、長時間の使用にも負担は感じない。

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今後の展望
3次元可視化システムは実務レベルで活用する時代へ

  今回の可視化システムは、企業のトップや上層部からの評価も高いという。海外でも最初はマネジメント部門から導入が始まり、徐々に作業効率を上げるために有効だという認識が高まり、利用数が増えてきた。3次元可視化システムはもはや研究レベルや実務レベルで活用しないと、これからの競争に残っていけないという時期が来ている。また、可視化システムはさまざまなデータ分析に利用できるので、高度医療や防災など応用分野は広い。

   最後に、本システムに関しての今後の展望や要望などをたずねた。

  「海外における可視化システムは、メジャーはもとより中小の石油会社でも必須の道具になりつつあります。今回、日本では私たちが初めて導入しましたが、国内での導入がもっと進んでほしいと思います。競争相手は海外ですから、日本全体としての技術的な底上げを期待します。我々も事業所単位で導入を進めて効率化を図っていきたいと考えています」

  今後は、例えばネットワークを通じて事業所間で情報を共有することなども考えられているのだろうか。

  「テレビ会議を用いて、向こうとこちらで同じプレゼンテーションができるのは便利です。ただ、例えば幕張と川崎(JOGMECは本部が川崎、技術センターが幕張に所在)で3次元データを同時に見ようとすると、専用線を引いても難しいかもしれません。今回のシステムもLANではなくサーバやワークステーションから直結ですから、ギガビットでもちょっと難しいかもしれません。3次元の立体視の大容量データをネットワークでリアルタイムに連携するのは難しい状況ですね」

  可視化システムは普及して久しいが、今、裸眼立体視によるビジュアライゼーション(3D-Visualization)は普及の端緒に付いた。研究開発においてもプレゼンテーションにおいても、裸眼立体視による可視化は、企業成長の命運を分ける有効な武器になりうることは間違いないだろう。

※本事例の内容は2007年4月現在のものであり、変更されている可能性もありますのでご了承ください。  

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製品・技術情報
■ソリューション Silicon Graphics Prism®
■参考資料 pdf お客様導入事例カタログ ( 421K )

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