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お客様事例:
株式会社オー・エル・エム デジタル

株式会社オー・エル・エム デジタル株式会社オー・エル・エム
デジタル


〒154-0011
東京都世田谷区若林1-18-10
みかみビル2階
http://www.olm.co.jp/


事業内容
映画・テレビ・展示映像・CM等のCG制作

角川映画「妖怪大戦争」の空撮ロケハンをPC上で実現
CGコンテンツ・プロダクションが「GEO-Element(R)」を活用

日本の各地から首都・東京に集結した妖怪たちと、空中を飛行してきた「機怪工場」が壮絶な戦いを繰り広げるという角川映画の大ヒット作品「妖怪大戦争」。そのクライマックス・シーンで実写とコンピュータ・グラフィックス(CG)を組み合わせた迫力ある映像制作で使われたのが、日本SGI とジオ技術研究所が共同開発した「GEO-Element」である。3次元地図アプリケーション開発ツールキットのGEO-Elementはその応用範囲が拡大し、このような映画制作の現場でも威力を発揮している。

3次元からの視点を実現したGEO-Element

株式会社オー・エル・エムデジタル(以下、OLMデジタル)は、ゲーム、映画、アニメーションなどで大人気のキャラクター「ポケモン」を制作していることで知られる株式会社オー・エル・エム(OLM)の100%子会社。
このポケモンでもアニメ制作はOLMが、そしてコンピュータ・グラフィックス(CG)のカットはOLMデジタルが担当するという形でこの2社は作業を分担し、そして協力している。
そのOLMデジタルが2004年半ばから約1年の歳月をかけて映像制作を担当したのが「妖怪大戦争」(監督:三池崇史)である。これは角川グループ創立60周年の記念作品として2005年8月6日に公開された大ヒット作品だが、そのデジタル・コンテンツ制作にGEO-Elementが使われ、制作コストや時間を大幅に削減することに成功した。
シナリオでは、実写だけではカバーできないシーンが数多く設定されていた。妖怪大戦争は、10歳の子供「タダシ」が妖怪たちを味方につけ、その妖怪を巻き込んで悪霊と戦い、最後はヒーローになるというストーリー。東京から鳥取に引っ越してきたタダシが妖怪を結集、境港から東京を目指して飛び立ち、その一方で世界壊滅を目論む「ヨモツモノ」に操られた巨大な悪霊軍団「機怪工場」に戦いを挑むという大冒険ファンタジーだ。
プロデューサー坂 美佐子 氏
プロデューサー
坂 美佐子 氏
そのクライマックス・シーンで、タダシとともに鳥取から空中を飛行して首都・東京に集結した妖怪たちと「大怨霊ヨモツモノ」がとりついた機怪工場が壮絶な戦いを繰り広げ、機怪工場が新宿副都心の都庁舎に突き刺さるというシーンが用意されていた。これをどのように映像化するかという問題がOLMデジタルに突きつけられた。
「ヨモツモノが東京に入って都庁を煙で覆い、人間の悪意を吸い上げて巨大化していくというストーリーなのですが、その中で機怪工場を含めた客観的な3次元のシーンが必要になるのです。これは従来の2次元的な空撮だけでは作れない映像で、3次元的な視点が必要でした。そのために、公開予定1年前の2004年夏ごろから立体地図の利用を考えるようになり、いろいろ調査、検討した結果、日本SGI のGEO-Elementを使うことに決めたのです」
利用までの経緯を話すのは、プロデューサーの坂美佐子氏である。

"コンピュータ・メーカーの地図"が決め手に

OLMデジタルは、以前からCG制作の面で日本SGI とはつき合いがあった。
アプリケーションと一緒に日本SGI のハードウェアを導入していたという経緯がある。しかし、市場にはさまざまな地図ソフトウェアがあり、坂プロデューサーもそれらを個々に検討したという。
だが、多くの地図ソフトウェアは満足いくものではなかった。
「いくつかの製品を見ましたが、"1キロあたりいくら"という感じで、まるでお肉屋さんのようなビジネスだったのですね。つまり、みなさん地図屋さんではあるのですが、コンピュータには長けていないのです。この地図ソフトウェアは面白いなと思っても『ファイル形式は何か、どのように変換して使えるのか、画素も含めてサイズはどれくらいか』と少しでも専門的なことを聞くと『うちは肉屋なので』といったように話しが通じないのです」
つまり、他の製品は単なる地図メーカーが提供しているもので、コンピュータとのつながりを意識したものではなく、コンピュータの知識もなかったという。
「地図メーカーはカーナビ用など、製品はたくさんありましたが、われわれはそれを自分のマシンの中に取り込んで使わないといけないわけです。GEO-Elementに決めたのは、日本SGI のバックアップがあったからです」
実際、GEO-Elementは映像制作の現場でどのように活用されたのだろうか。坂プロデューサーはこう説明してくれた。
「今まで、地形を入れた空中からのシーンはヘリコプターによって空撮した2次元映像をそのまま使い、そこにCGを張り込むという作業をしていました。たとえ、その映像のアングルが満足するものでなかったとしても、またヘリコプターをチャーターするには費用もかかるため、妥協するしかありませんでした」
空撮のためのヘリコプターをチャーターするには、1回数十万円の費用が必要になる。さらに、ヘリコプターを飛ばすには関連する自治体に飛行申請手続きを行うなど事務手続きも煩雑だった。しかし、GEO-Elementによってその問題が解決された。
「GEO-Elementは、箱庭のようにものができていますので、PC上で自分たちが自由にアングルをつけて、好きなカメラワークの検討ができるのです。これは画期的なことでした。コンピュータだから当たり前ですが、それがGEO-Elementを選定した最大のポイントですね」

映像制作に欠かせないツール

デザイナー徳重 実 氏
デザイナー
徳重 実 氏

つまり、GEO-Elementを空撮のロケハンに使ったということである。
今回、OLMデジタルはGEOElementを使うことで、実際の空撮を行う前にPC上でカメラワークを緻密に検討し、最適なシーンを短時間でコストをかけずに撮影することができた。監督をはじめカメラマン、プロデューサー、CGクリエーターなどがPC上のGEO-Elementで最適なアングルを決定、そのアングルをヘリコプターの操縦士に指示し、時間をかけずに空撮を終了できたという。妖怪大戦争の中では、この空撮の映像にCGを組み合わせ、リアルな映像を作成している。
また同作品では、都市空間のCG映像を作成するための基盤となる地図データとしてもGEO-Elementが活用されている。OLMデジタルは実写映像との品質のバランスを取るため、地図データのテクスチャーを張り替えるなど独自の加工を施し、映像化している。
「映像を制作するという視点からは、すごいものを手に入れたという感じを持っています。さらに、カメラには広角から標準、望遠までさまざまなレンズがありますが、異なるレンズで見たときにどう見えるのかという話しをしたところ、日本SGI はそれを簡単にできるようにレンズ機能もつけてくれました」

  GEO-Elementによるシミュレーション
「大怨霊ヨモツモノ」が新宿副都心の都庁舎に突き刺さるシーン
GEO-Elementによるシミュレーション
実際に映画で使われたシーン

都庁を上から見るアングルは、その近くのビルからでは絶対に見ることができないものだ。実際にヘリコプターを飛ばして、上空からアングルを選ばないといけない。それは大変コストがかかることでもあり、また当然危険を伴う。
さらに、急降下するというようなことは無理である。
しかし、GEO-Elementのビューワでは可能だ。アングルを決めて、それをヘリの操縦士に見せて一発で空撮を行うことができる。
今回の制作では、毎日カメラマンがGEO-Elementのビューワを使っていたという。従来のようなヘリコプターを飛ばす方法に比べて、コスト、時間の削減は計り知れない。
坂プロデューサーも「コスト、時間に換算できないほどものすごく便利なツールだった」と高い評価を下している。
まだ詳細は発表できないというものの、次の作品では全面的にGEO-Elementを使いたいとコメントしてくれた。
使用製品 GEO-Element
関連情報 ブロードバンド・ユビキタス・ソリューション
ビジュアライゼーション・ソリューション
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2005年9月27日掲載