日本SGI 株式会社
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「Silicon Graphics(R) 750」新製品発表記者説明会レポート

Linux World Expo内SGIブース
Linux World Expo内SGIブース

 日本SGIは、5月30日(水)午後2時半から東京ビッグサイト内のプレスコンファレンス会場で、Intel(R)社がこのほど出荷を開始した最新の64ビットプロセッサ、Itaniumを搭載し、Linux(R) OSで稼動する新製品「Silicon Graphics 750」の発表説明会を開催致しました。
 当日は東京ビッグサイトにおいて開催された「Linux World Expo / Tokyo 2001」の初日ということもあり、同イベントの取材記者も含め多数の新聞、雑誌記者が参加。
 説明会では、製品技術本部の戸室隆彦本部長より製品概要およびSGIのLinuxへの取り組み、さらには将来的なIA64製品戦略を紹介致しました。

製品説明会の様子
製品説明会の様子

 SGIは、テクニカルやクリエイティブの分野、そして企業としてテクニカルアプリケーションを利用されているお客様を中心に製品を提供しています。今回出荷が始まったItaniumプロセッサは、こうしたお客様が長い間待ちこがれていた次世代プロセッサであり、SGIがItaniumに前向きに取り組む理由のひとつがそこにあります。
 今後SGIでは、IA64プロセッサの高い性能とSGI製品の最大の特長であるNUMAflexTM という設計コンセプトを活かした、大規模構成の並列サーバの製品化を行う計画です。又、この並列サーバによる大規模可視化システムでは、SGI創設以来のコア技術を結集し、今後の製品戦略のなかで重要な役割を担っていくことになります。今回発表したIA64のシステムは、SGIのこうした優位性をさらに拡大していくための大きな一歩となりました。

 製品技術本部の戸室隆彦本部長による説明内容は、以下の通りです:

●Silicon Graphics 750の概要と特長
 Silicon Graphics 750はItaniumを搭載、メモリは最大4GB、そして最大90GBの内蔵ディスクを搭載可能。メモリは将来的には16GBまで拡張可能となる予定。又、コンソールと2Dのグラフィックス・アダプタを持っているので、ディスプレイにつないでグラフィックスのワークステーションとしても使用可能である。
 今後、3DのグラフィックスやOpenGLを採用したグラフィックス・アダプタなどを製品化する計画で、OSはLinuxだけをサポートする。

Silicon Graphics 750内部
Silicon Graphics 750内部

 システムの特長だが、まずItaniumの最大の特長である優れた浮動小数点演算性能が挙げられる。浮動小数点演算を1秒間に29億回実行できる性能(2.9 Gflops)を実現しているこのシステムは、今後のIA64プロセッサを使用したシステム向けの開発プラットホームとしても高い費用対効果があると確信している。

 他社も同様のシステムを発表していく中で、SGIとしては独自の付加価値サービスを考えている。特にSGIにはインテルベースのプロセッサをクラスタ構成したシステムでの高い実績があり、Silicon Graphics 750をクラスタ・システムのコアとしてItaniumの高い浮動小数点演算性能を活かし、その管理・運用のためのミドルウェアやシステムの構築やサポート・サービスにも力を入れていきたい。

 Itaniumプロセッサでの立ち上がりが一番早いと見込んでいる市場は、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)分野である。SGIには、このHPC分野における他社の追随を許さない知識、ノウハウが蓄積されており、この分野のお客様を中心にシステム及びサービスを提供していく予定である。
 またSGIは、今回のマシン用に最適化された科学技術計算ライブラリ(SCSL=Scientific Computing Software Library)をバンドルして提供する。そしてこれは、将来的なIA64ファミリーへのスムーズな導入のためのアプリケーション開発にも重要なものだと考えている。
 同時にSGIはISVのサポートにも力を入れる。多くのお客様はISVのアプリケーションを使うことになると考えられ、このサポートは重要な要素だと考えている。また、オープンソースに対する貢献という点でも、このIA64でさらに力を入れていく方針である。

入場者の大きな注目を集めたSilicon Graphics 750
入場者の大きな注目を集めた
Silicon Graphics 750

 SGIにとって、今回の製品はソフトウェア開発環境の提供という位置付けをしている。現在SGIはIA64ベースのスケーラブルなサーバを開発中だが、そのためのソフトウェア開発用プラットホームとしてもこのマシンは重要な位置を占めている。
 またこうした最新鋭のマシンは、大学や研究所といった施設のお客様から高い注目を集めるが、このSilicon Graphics 750は最先端のIA64ベースであり、またLinuxも使えるというメリットがあることから、こうしたお客様に早期に導入していただけると考えている。将来的にはアプリケーションがIA64に移行してくると考えているので、このシステムによって早期に移行支援を始めていきたい。これはお客様と同時にISVに対しても同様である。さらにクラスタ・システム構成によるHPC向けシステムを提案していくことも計画している。

●SGIのLinuxへの取り組み
 SGIは元々IRIX(R)というUNIX(R)ベースのOSを開発してきた。SGIはこのIRIXをやめ、Linuxにすべて移行すると誤解されているようだが、SGIはIRIXとLinuxは相互補完するものと考えている。IRIXは自社で独自に開発できるので、SGIはまずIRIXに先進的な機能などを取り入れ、これで開発したものをオープンソースのLinuxに提供している。
 たとえば、OpenGLTM はLinuxで当然のソフトウェアのように思われているが、基本的にはIRIXで開発されたものである。ストレージ分野でもIRIXのジャーナル・ファイル・システムであるXFSTM のLinux版を開発している。またOriginTM シリーズは512CPUまでの高い拡張性を持っているが、この機能をLinuxに投入して、Itaniumベースの並列システムを提供していく計画である。
 Linuxへの貢献という意味で、SGIはこれまでに様々なソフトウェアをオープンソースコミュニティに提供しているが、今後もこれを継続していく。SGIはLinuxのディストリビューションの上にシステム管理、リソース管理、ストレージ管理機能などを提供し、最終的にはデータセンターで使えるようなLinuxに機能を強化させていきたい。また高度なビジュアライゼーション機能も付加していきたいと考えている。

●将来的なIA64製品戦略
 SGIにはSNIAというコードネームで開発している製品がある。これはIA64ベースで512CPU以上の高い拡張性を持った製品である。Silicon Graphics 750はそのエントリマシン、開発プラットホームとして位置付けられる。
 このSNIAのベースとなる設計コンセプトはNUMAflexと呼ばれ、コンピュータの各機能をブリック毎にモジュール化して、ひとつのコンピュータシステムを構築するというものだ。NUMAflexには、小規模なシステムから将来的なニーズに応じたプロセッサ、I/O、さらに可視化機能などを追加していけるという大きな特長があり、昨年発表したIRIXベースのOrigin 3000で既に製品化を実現しているが、今後SGIはLinuxベースのシステムにもこの概念を導入していく計画である。
 またSGIでは、今後Linuxをデータセンターなどの大規模なシステムでの使用に最適化するために重要なReliability、Availability、Serviceability のRAS機能を提供していきたいと考えている。このため、いずれかのノードが故障しても他のノードに影響しない機能の開発を進めている。

 SGIの将来的な目標は、大規模計算、大規模データ、大規模可視化という要素を結合したソリューションの提供であり、今回のIA64製品はこうした大規模なシステムの第一歩として捉えている。