プレスリリース
日本SGI、物質・材料研究機構に国内で初めてインテルの最新チップを搭載したスーパーコンピュータシステムを納入
7倍以上の理論演算性能向上でナノテクの研究開発を後押し
2009年05月28日
日本SGI 株式会社(社長:佐藤 年成、本社:渋谷区恵比寿)は、独立行政法人 物質・材料研究機構(以下NIMS、理事長:岸 輝雄、住所:茨城県つくば市)にインテル社製のチップを搭載したSGI(R) Altix(R)シリーズを中核とする材料数値シミュレータシステム(以下、シミュレータシステム)を国内で初めて納入し、4月から本格稼働したと発表しました。
新システムは、アーキテクチャの異なる2種類のシステムを統合したハイブリッド型の並列計算機で、次世代のインテル(R)Xeon(R)プロセッサー5500番台(2.80GHz、1,024CPU、4,096コア)を搭載したSGI(R)
Altix(R) ICE8200EXおよびSGI(R) Altix(R)4700(インテル(R)Itanium(R)プロセッサー、1.66GHz、512CPU、1,024コア)で構成されています。
これら両システムの理論演算性能は52.66TFLOPSで、従来のシミュレータシステムと比べて理論演算性能が7倍以上向上しており、またユーザジョブに合わせて最適なリソースを選択することができるため、効率的な運用が可能になります。
その他、フロントエンド計算機、合計約100TB(テラバイト)の大容量共有ストレージシステムが、それぞれ高速ネットワークで接続されています。また、先進的なクラスタファイルシステムであるサン・マイクロシステムズのLustre(TM)を利用し、高速で安定したクラスタファイルシステムを構築することが期待されています。さらにコンピューティングリソースを管理し、最大限に有効活用するため、ミドルウェアとしてPBS
Professional(TM)を採用し、効率的な運用を可能にしています。
NIMSは、国内の物質・材料およびナノテクノロジーの研究拠点として、物質・材料の開発・改良のための基礎基盤研究を行っており、物質・材料の諸性質の起源を明らかにすると共に、予測するための計算材料科学手法の研究開発に注力しています。
具体的には、材料数値シミュレータの高速計算システムを用いて、第一原理計算(*注1)や古典動力学計算などの計算材料科学技術に関する理論・アルゴリズムの開発、計算高速化手法等の研究を行い、高精度なシミュレーションによって物質表面での原子の挙動、ナノ物質の形成過程、ナノ物質の物性・機能、超伝導や磁気現象等に関して成果を挙げています。
現在、これら研究開発に用いられるシミュレータの稼働率はほぼ飽和状態に達し、ターンアラウンド時間は増加する一方であること。さらに、今後の数値モデルの大型化および処理量の増加に伴って、さらなる計算能力を必要とされていることから、このたび計算材料科学研究の中核となる材料数値シミュレータを更新し、数値モデルによる高精度シミュレーションの実行環境の拡充、高速で大容量メモリを備えた大幅な処理能力の増強を図ることにしたものです。
今回、ベクトル機が有利とされていた分野(第一原理分野)にスカラー機が採用されるとともに、従来のベクトル機に比べ数倍~十倍程度の原子数で第一原理シミュレーションが可能になることで、ナノテクノロジー研究の発展および、新素材、新物質の発見が促進することが期待されています。
NIMSに納入したSGI Altix ICE8200は、次世代のインテル(R)Xeon(R)プロセッサー5500番台を搭載した高機能ブレードをインフィニバンド・ネットワークで接続した、パフォーマンス、拡張性、省エネルギー性に優れたブレード・サーバーです。またSGI Altix 4700は、インテル(R)Itanium(R)プロセッサー9100番台を搭載し、SGI独自の共有メモリ・アーキテクチャにより効率的な並列計算処理を実現するハイエンド・サーバーです。
注1)第一原理分野: ナノメートルスケールにおけるマテリアル・シミュレーションの計算手法。量子力学の基礎方程式に基づいて種々のマテリアルの電子密度分布を求めることで、その構造、電子状態、物性を定量的に予測できると考えられている。

●NIMSについて:2001年4月に無機材質研究所と金属材料技術研究所が独立行政法人化にあわせ合併した研究所。国内のナノテクノロジーおよび新規材料研究の拠点。下部組織のInternational Center for Materials Nanoarchitectonics(MANA)世界トップレベルの研究機関の認定を受けており、国内外の若手研究者の育成にも力を入れている。
●独立行政法人 物質・材料研究機構 計算科学センター センター長 大野 隆央様からのコメント
「NIMSでは、今回、初めて、日本SGIのスカラー機Altixを採用しました。
国内で第一号機となる次世代のインテル(R)Xeon(R)プロセッサーを搭載したAltixICE
8200EXを含む新システムは、日本SGIの高い技術力およびサポートにより、利便性を犠牲にすることなく異なるアーキテクチャの統合が実現されました。これにより、従来システムに比べて理論ピーク性能が7倍以上に向上しただけでなく、プログラムの特性に合ったリソースを選択できるようになり、効率的なジョブの運用が期待されています。ナノ科学や新材料の研究では、年々大規模かつ超高速な計算能力が求められており、この新システムにより、ナノ物質形成過程の解明やナノ物質の特性予測等の研究を推進し、今後ますますナノテクおよび新規材料研究の分野で、世界をリードしていきたいと考えています。」
<商標登録>
SGI、SGI のロゴ、およびAltixは日本SGI 株式会社の登録商標です。インテル、Xeon、Itanium は、アメリカ合衆国およびその他の国における Intel Corporation の商標です。Sun、Sun Microsystems、Lustreは、米国Sun Microsystems, Inc.の米国およびその他の国における商標です。PBS Professional は、Altair Engineering, Inc. の商標です。その他の会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
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