プレスリリース
産業用バーチャルリアリティ展レポート IVR展開催レポート 「迫力あるリアルタイム3DCG立体映像に、動画、プレゼンテーションツールを融合した斬新なシアターを初披露」
高度なインテグレーションが可能にした新次元の映像パフォーマンスに高い関心が集まった3日間
2009年06月30日
●ダイナミック・マルチビジュアル・シアターの可能性
2009年6月24日(水)~26日(金)の3日間、東京ビッグサイト東ホールにおいて第17回産業用バーチャルリアリティ展(以下IVR)が開催されました(併設展:第20回設計・製造ソリューション、第13回機械要素技術展)。IVR展は、3D
CGやシミュレーション技術、各種ディスプレイの最新テクノロジーが一堂に会する日本最大のバーチャルリアリティ専門展で、今年は7万5000名が来場しています。
今回のIVR展において日本SGIは、「ビジュアル・パワーによる意思決定サポート」をコンセプトとした180インチの最新映像システム「ダイナミック・マルチビジュアル・シアター(Dynamic
Multi-Visual Theater)」の展示を行いました。
本システムは一見すると通常の大型表示システムと変わらないものの、日本SGIならではの最先端のシステムインテグレーションが随所になされていました。特徴としては、ひとつの画面内にリアルタイム3DCGの立体映像、動画、プレゼンテーションツールなど複数の映像ソースを同時に表示可能とする点で、特に立体映像を核にした映像表現においては、後述するアプリケーションとの組み合わせによって、説得力のある新次元の映像パフォーマンスを実現するものでした。今回のデモを実際にご覧いただいた方には、迅速な意思決定、コラボレーションによる効率的な合意形成、事物のより深い理解、新たな洞察や知見の獲得をもたらすことを予感していだたけたのではないでしょうか。
●ダイナミック・マルチビジュアル・シアターの構成システム
ダイナミック・マルチビジュアル・シアターは、日本SGIのスケーラブル・ビジュアル・クラスタ「Asterism(R)
Family」をホストに据え、グラフィックスにはPCI-Express拡張システム「ELSA VRIDGE
X100」を経由したウルトラ・ハイエンド・グラフィックスシステム「NVIDIA(R) Quadro(R)FX
5800」を使用。また、ホストマシンAsterismから180インチスクリーン袖のエンジニア操作卓まではリモートグラフィックスを活用し、フルHDのDLPプロジェクターにクリスティデジタルシステム「Roadster
HD12K」を配置した構成となっており、本システムの核となる映像スイッチャー(複数の映像入力信号を統合表示するマルチフォーマットビデオプロセッサ)に、クリスティデジタルシステムの「Spyder(TM)」を装備しました。これにより立体視可能なリアルタイムの3D
CG映像や動画、プレゼンテーションツールといったさまざまな映像ソースの切り替え、拡大・縮小がダイナミックに可能となります。
さらに今回のシステムで特筆すべきは、バーチャルリアリティ空間を操作するユーザーインターフェース「VICON
MX」を用いることで、モーションキャプチャによるインタラクティブな映像操作を可能としている点でしょう。VICONはユーザーがマーカー付き立体視メガネを装着することで、ディスプレイの上部左右に設置してあるセンサーがその位置情報を検知し、ユーザーの動きやリクエストをリアルタイムに映像に反映するというものです。
シアターを構成する要素技術は、いずれもある目的のために特化したプロ仕様のものばかりですが、各要素の強みや連携上のリスクを理解し、最適なハードウェアとソフトウェアそれぞれの連携をトータルに考えた上でシンプルに魅せる日本SGIのシステムインテグレーション力が余すところなく発揮されました。
●ダイナミック・マルチビジュアル・シアターを活かすアプリケーションの数々
ダイナミック・マルチビジュアル・シアターのデモが始まると、日本SGIのブースは通路まで観客でいっぱいとなり、ナレーターがたびたび「一歩、二歩と、前のほうにお願い致します」と声を掛けていたほどです。ハードウェアシステムを活かすのはやはりアプリケーションであり、今回は「RTT
DeltaGen」、「Virtools」、「FLUIDSISTA(R)」、「Walkinside(TM)」、「Virtual Anatomia(TM)」といった見ごたえのある先進のアプリケーションデモが注目を集めていました。
「RTT
DeltaGen」は、欧米自動車会社のデザインレビューなどで実績を積んでいる3Dリアルタイムデザインビューソフトです。今回は、フォトリアルに美しくリアルタイムレンダリングされる自動車のデジタルモデルと、そこに映り込む自然光の反射の様子などが立体視デモされました。
一方「Virtools」は、インタラクティブ性が求められる3Dコンテンツ制作を短期間で実現する「コンテンツ開発プラットフォーム」であり、WEBカタログから意匠デザインやセールス支援、さらには大規模なバーチャルリアリティまで多岐にわたる利用実績があります。会場では、エジプトの大ピラミッドの建設方法を検証する例や、VICON
MXによるモーションキャプチャを斬新にもユーザーインターフェースに取り入れた自動車のシミュレーションをご体験いただきました。

また「FLUIDSISTA」は粒子法流体解析シミュレーションソフトであり、津波や河川の氾濫、配水管にピンが詰まったときのシミュレーションなどがデモされました。
さらに「Walkinside」はリアルタイムウォークスルーソフトで、ヒューマンキャラクターの「トニー」がCADで作られた仮想空間内の油田プラントを点検して回るデモを紹介しました。トニーは歩く、走る、這う、ジャンプするなどの動作が可能で、デモではパイプが張り巡らされたプラントの通路や階段を歩きました。同ソフトを用いることで、CADの画像だけでは見落としがちな、思わぬ危険箇所や作業場の問題点などを把握できるようになるのです。
その他「Virtual
Anatomia」は、実際の人体を内部構造までデジタルデータに置き換えた人体モデルで、今回のミュージアムバージョンから立体視に対応。いままで見たことのないような迫力ある人体内部をリアルタイム3DCGで探訪できます。
デモの最後は防災科学技術研究所様による「日本列島の震源地分布」を可視化した事例紹介。これまでのデータを3D化し、震源の場所や規模が一目瞭然のビジュアルとなってデモされました。
今回展示したダイナミック・マルチビジュアル・シアターがもたらす「ビジュアル・パワー」は、そのお客様の多さが物語るように、これまでとは一線を画した説得力を実現していました。本システムは、従来の自動車などのデザインビューはもとより、研究機関におけるビジュアライゼーション、あるいはビジネスシーンにおける重要な意思決定の場面でも、その威力を発揮するのではないでしょうか。
