sgi e-News 最新号NO.110 日本SGI Webマガジン <08月27日配信号>
トピックス2
総論:価値あるコンテンツを支えるシステムづくり
連載:次世代放送システム実現への課題
ファイルベースシステム
地上・BSデジタル放送への完全移行、映画産業におけるコンピュータによる映像編集そして2000年頃から始まった 「放送と通信の融合論」に伴う放送業務システムの革新を視野に、これまで12回にわたって「次世代放送システム実現への課題」というテーマで連載してきました。これまで取り上げた内容は、次の通りです。
- ファイルベースへと変化していく日本の放送システムとその問題点
- メタデータ管理はどこで行うべきか
- ワークフローの改善
- デジタル・アーカイブシステムとコンテンツ管理システム
- ファイル転送(基本編)
- ファイル転送(応用編)
- ファイル転送(実践編:欧州事例)
- エンコードとトランスコード
- 業務効率向上、ワークフローを改善するデジタルコンテンツ共有のメリット
- 自動映像検査システム
- ワークフローとデータフロー
このように初回で幾つか仮定したファイルベースシステムの課題に対して、メタデータ管理・アーカイブ・コンテンツ管理・ファイル転送・エンコードとトランスコード・
ファイル共有・自動映像検査と様々な面から、その解決案を概観してきました。
これは、「テープ」=映像+媒体から「ファイル」=映像として独立したことにより、その取り扱いに関して生じた課題と解決案とも言えます。
そして今後、実際にファイルとしての映像の運用が増えていくことで、更に様々な課題が浮き彫りになってくるのではないかと考えます。
その際に最も重要になってくるのは、使用者つまりユーザの視点であることは言うまでもありません。例えば、ファイル納品を考えた場合、技術的な観点で解決方法を模索するだけでなく、契約的な納品手段・納品物の定義や既存の業務の見直し等も必要になってくるでしょう。
また、本連載では特に触れませんでしたが、営放システムや番組自動送出装置等の上位システムとの連携におけるメタデータの扱いに関しても、
充分検討する必要性が出てくると思います。
価値あるコンテンツを支えるシステムづくり
次世代放送システムを論じるにあたり、システム側から見た課題や現状を主なテーマとして取り上げてきましたが、コンテンツの取り扱いに関しての考慮も必要です。
放送で使用されるような有料コンテンツは、明らかにYouTubeをはじめとするユーザ参加型コンテンツ(UGC:User Generated Contents)と一線を画します。
すなわち、高品位で高いセキュリティレベルが要求されるBtoB向けビジネス向けのコンテンツは、“価値あるシステム”で守られ、“価値あるシステム”
で利用されるべきだというのが私の持論です。
このような“価値あるシステム”を実現するためには、電子透かし、暗号化といったコンテンツを保護する技術が必須であり、今後もその技術は進歩し続けることでしょう。そしてここで非常に重要なのは、進化し続ける技術をベースに構築する際、最終型をイメージしつつ、
既存の技術で構築可能な範囲のシステムを構築し、残りは技術が追いついた時点で拡張するといった拡張可能なアーキテクチャを念頭に置いた設計です。なぜならシステムは、技術の進歩、そしてユーザとともに成長するものであるからです。

最後に
2008年6月から始めた本連載も1年が過ぎ、一旦総論という形で締めくくります。 これまでの間に、ファイルベース送出システム、広帯域な編集システム、コンテンツ管理ソフトウエアなどを、ご提供、ご紹介できる機会を多々得ることができました。技術的観点だけではなく、実際の業務にどれだけ貢献できているか、いささか心配ではあるものの、日々最終型をイメージし、チャレンジし続けることが重要であると考えています。
文責:秋山 譲二(日本SGI デジタル・アセット・マネージメント事業本部長)
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